ワンちゃんのお役立ち知恵袋

犬の口臭くさい原因は?口腔ケアの対処法と緊急性を要するケースも併せて解説

愛犬になめられたときや、顔が近づいたときに口臭が「くさい!

と感じたことはありませんか?

口臭の原因は様々ありますが、臭いのタイプやその原因によっては、

実は緊急度の高い病気にかかっている可能性もあります。

 

今回は、大切な愛犬の口臭の原因とその対策についてまとめてみました!

 

愛犬の口臭が気になっている方はもちろん、

愛犬の健康チェックのためにも犬を飼っている方はぜひチェックしてみてくださいね。

犬の口臭がくさい原因と受診するタイミング

犬の口臭の原因は、食糞や歯のケア不足、

口腔内の乾燥など口内環境が悪化してにおいがする場合と、

腎機能や肝機能が低下して口臭が発生している場合があります。

犬は自分で歯磨きはできませんし、食べ物を選ぶこともできません。

また体調不良もしっかり様子を見てあげないとわかりにくい場合もありますよね。

ワンちゃん先生
ワンちゃん先生

だからこそ、しっかり口臭の原因を把握して、

早めにケアをしてあげることが大切になってくるんじゃ~

口臭の中でも、特に緊急性が高く病院に行っていただきたいのは、

内臓疾患が原因によるアンモニア臭や糞臭のする口臭のとき。

病気が進行してから口臭が悪化する場合が多いので

においを感じたらすぐ病院へ行くことをおすすめします。

緊急性を要するケース

酸っぱい臭いの場合

酸っぱい臭いの場合、原因としては胃炎など胃に何らかのトラブルが発生していることが考えられます。

その結果、胃酸分泌過多などの症状が発生し、

嘔吐や胃酸がこみあげてくることから酸っぱい臭いの原因になる場合があります。

 

胃炎の原因としては、感染症や中毒、空腹時間が長くなるなど様々あるため、

もし酸っぱい臭いが気になる場合は病院で相談し、原因を特定することをおすすめします。

 

また、酸っぱい臭いでも甘酸っぱい臭いの場合は、糖尿病の可能性もあります。

これはアセトンという成分の臭いですが、アセトンは血糖をエネルギーとして利用できないときに、

脂肪酸が分解されることで産生されるケトン体の一種で熟れたリンゴのような甘酸っぱい臭いがするのが特徴です。

 

糖尿病のそのほかの特徴としては、水を飲む量が増えたり、食欲はあるのに体重が落ちるなど、

普段の生活の中でも変化があるので、口臭と併せて病気のサインを見逃さないようにすることが重要です。

 

糖尿病の場合も、病院での治療が必要になりますので

甘酸っぱい臭いを感じた場合はすぐに専門家に早めに診せるようにしましょう。

糞便の臭いような口臭の場合

糞便のような口臭の場合は、腸閉塞の可能性があります。

腸閉塞は腸内で重大な通過障害が起きていたり、完全に腸が詰まったりふさがったりして便などが正常に移動できなくなった状態のことです。

正常な排泄ができなくなるため、糞便のような口臭を感じることがあります。

この原因としては、おもちゃのパーツを誤飲し、

消化できず腸に詰まらせてしまう(機械的閉塞)などがありますので、

誤飲しやすいもの(服のボタンやぬいぐるみの目などの小さいプラスチック片や布、

ビニールなど)を口の届く範囲に置かないようにし、

誤飲しそうになった場合は早急に取り上げるようにしましょう。

もし異物を詰まらせている場合は緊急対応が必要になりますので、

腹部が膨張していたり、下痢、排便がないなど

何か少しでもおかしいと感じた時にはすぐに病院に連れていきましょう。

アンモニア臭のような口臭の場合

アンモニア臭のような刺激臭がある場合は、腎層や肝臓といった代謝をつかさどる臓器に異常が出てしまっている可能性があります。

腎臓や肝臓は犬にとっても代謝の要の臓器。

そのため、この臓器に異常がでてしまうと本来は代謝によって体外に排出される老廃物がうまく排出されず

ワンちゃん先生
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毒素として体内に溜まってしまい口臭という形で現れるんじゃ~
重篤なケース

このアンモニア臭の原因となる、腎臓や肝臓の異常は、

かなり悪化した状態でないと症状が表面化しないので、口臭を感じた時点で、

すでに何らかの病気が進行している可能性があります。

肝硬変や腎不全といった病気が考えられ、

おそらく口臭以外にも体調不良や食欲不振、嘔吐など、

目に見えて他の症状も出ている可能性が高いので、

もしアンモニア臭を感じたらいち早く病院に連れて行くことをおすすめします。

歯周病が原因の口臭の場合

生臭い口臭や腐敗臭のような強烈なにおいがする場合は、歯周病が原因の可能性があります。

歯周病は、歯石がどんどん増え、歯と歯茎の間に潜り込み炎症を起こす病気です。

ピンク色の歯茎が赤く腫れあがってきて、出血や口臭が発生し、

歯槽膿漏を起こして歯がぐらついてきます。

 

そのままさらに放置すると炎症を引き起こしている菌が原因で、

あごの骨が溶けて歯が抜けたり強い痛みを伴うことも。

 

歯周病を放置すると内臓にも歯周病の細菌が感染し、

重大な疾患の原因になる可能性があるため、早め早めの治療が非常に重要です。

一度抜けてしまった歯を戻すことはできません。

 

愛犬の歯に薄茶色の歯石が目立ち始めたら、早急に口内ケアを始めましょう。

実は3歳以上の犬の80%は

歯周病をはじめとした何らかの歯にまつわるトラブルをもっているといわれるほど、

犬にとって歯のトラブルは多いんです。

 

歯のトラブルは歯だけでなく内臓にも影響を与えるので、

こちらも早急に病院での相談をおすすめします。

緊急性のない口臭

食べ物が原因の口臭の場合

愛犬の口臭の原因として食べ物が原因になる場合もあります。

消化の悪い食べ物や油分の多い食べ物を食べると口臭の原因になる可能性があります。

消化の悪い食べ物としては、お米やトウモロコシといった穀物やこんにゃく、

ナッツやスルメなど幅広い食べ物が該当します。

 

愛犬がかわいくおねだりしても健康のために与えないようにしましょう。

ただ食べ物からくる口臭は特に緊急度が高いわけではありません。

愛犬の日々の生活習慣をしっかり管理してあげれば解消することができるでしょう。

ドッグフードが原因の場合

愛犬の口臭がきつくなる原因としてドッグフードが影響している場合もあります。

どんな食べ物でも空気に触れていればどんどん酸化していきますが、

それはドッグフードも同様なんです。

封を切った瞬間から酸化が始まり、

開封からかなり時間が経ったドッグフードは

酸化によりかなり劣化している可能性があります。

劣化したドッグフードを食べれば口臭はもちろん

体調を崩す愛犬も出てくる可能性があります。

 

コスパがいいからと言って食べきるのに数か月かかる量を購入したり、

直射日光や湿度が高い等保管状態が良くない場所で管理したりすると

愛犬の口臭の悪化を招く可能性もあります。

 

またドッグフードは食いつきを上げたり、

栄養バランスを整えるために様々な添加物が加えられているものもあります。

人間もそうですが、添加物を摂りすぎることは決して体にいいことではないですよね。

 

とはいえ、酸化したドッグフードや添加物の多いドッグフードでも

基準を満たして販売しているものですので、

口臭が気になり始めたからと言って

すぐ病院に相談しなければならないというわけでもないかと思います。

 

愛犬の健康のためにもドッグフードにもこだわりたいですね。

口内環境が悪化している場合

犬の口臭の原因の大半は口内環境が悪化しているためです。

先に紹介した歯周病や歯周病手前の炎症、

大量の歯垢や歯石など様々な要因で犬の口内環境は悪化しやすくなっています。

 

歯垢の時点できちんとケアしてあげれば歯石や歯周病の発生率は

コントロールしやすくなるので、こまめに愛犬の口内チェックを行ってあげましょう。

 

こまめにチェックしていれば異変にすぐ気づけますし、

こまめにケアしてあげれば緊急性の高い口臭にもすぐ気づくことができるでしょう。

口腔内が乾燥している場合

犬の口は常に唾液で潤っているのが一般的ですが、水分不足などが原因で唾液が濃縮されると口臭がきつくなることがあります。

人間でも朝起きた時口臭がきつくなることがありますよね!

これも口腔内の乾燥が原因になっているからなんです。

だから、こまめな水分摂取など口の中が乾かないようにしてあげることが必須。

 

暑い時期や運動後は特に口呼吸で体温調節を行い通常時よりも

口腔内が乾燥しやすくなるので、特に水分量のチェックが必要です。

愛犬の口臭がくさいときの対策5選!

愛犬の口臭が気になってくるととても大切なのに

スキンシップすら億劫になることもありますよね。

 

臭いはコミュニケーションにおいてとても重要な役割を持っているので、

臭いが悪化してしまう前にしっかり対策を行うことが大切。

 

おすすめの対策5選を紹介しますので、簡単なものから始めてみてくださいね!

口臭ケア方法①歯磨き

これが1番簡単な口臭ケアですよね!

簡単とはいってもそもそも習慣のないワンちゃんや飼い主さんにとっては、

愛犬が嫌がって飼い主さんの負担になることもあるかと思います。

子犬のうちから慣らしてあげることが理想的。

難しい場合はちょっと工夫を取り入れてみましょう。

毎日少しずつ磨く

特にケアの必要な歯と歯茎の境目の歯垢や歯石がたまりやすい部分を

重点的に毎日少しずつケアしてあげましょう。

 

暴れることもなく、愛犬が歯磨きを頑張ってくれた時はしっかり褒めて、

歯磨きが楽しいものだと教えてあげることも大切です。

味付きの歯磨き粉を使う

子供と同じでおいしい味がすると歯磨きが楽しくなるワンちゃんもいるでしょう。

歯磨き用のアイテムから工夫してあげるのもおすすめです。

口臭ケア方法②歯石除去

出来てしまった歯石は家庭できれいに落とすのは難しいかもしれません。

もちろんゴシゴシ削れば落とすことは可能かもしれませんが、

歯石の下の歯のエナメル質を傷つけてしまうかもしれません。

 

歯石ができてしまった場合は、タイミングを見て専門知識をもった獣医さんにお願いして、

しっかり取り除いていただくようにしましょう。

口臭ケア方法③サプリメント

口内ケアをしてくれる犬用サプリもあるので、

普段のフードに混ぜて与えてみるのもおすすめ。

 

また腸内環境を整えてくれたり、栄養バランスを整えてくれる自然由来のサプリメントなどもありますので、

外から歯磨きで、内からサプリメントで口臭対策を行うのもおすすめです。

口臭ケア方法④ケア用のおやつ

固いガム系のおやつをしっかり噛むことで歯の表面についた歯垢を落とすことができます。

市販のものは体のサイズにあった幅広い食感のものがあるので

愛犬にぴったりのものを選ぶのも楽しいですよね!

口臭ケア方法⑤どうにもならない場合は病院へ

愛犬の口臭が気になるとき、緊急性の高い口臭や、

家ではどうにもならない病気にかかっている場合もあります。

そういった場合は家で無理にケアをするのではなく、

信頼できる獣医さんに相談して早め早めに対応するようにしましょう。

愛犬の口臭は健康状態のサイン

愛犬の口臭は健康状態を教えてくれるサインの一種になっています。

臭くてもかわいい!と臭いを放置するのではなく、

臭いの種類と原因をしっかり把握して対策することが

愛犬を守ることにつながります。

 

色々対策をしても口臭が改善されないときは

速やかに動物病院を受診して愛犬の健康を守ってあげてくださいね。