ワンちゃんのお役立ち知恵袋

犬の耳が臭い!考えられる病気やケア方法をご紹介

ふとしたときに、愛犬の耳のニオイが臭い

と感じる事がある飼い主さんは要注意です。

犬の耳が臭う=病気の可能性もある事をご存じでしたか?

犬の耳の構造は、L字型の構造となっているので、

外から耳の奥まで見る事ができず、耳のトラブルに気付きにくいのです。

 

ここでは、愛犬の耳が臭いのはなぜか?対策方法や予防方法についてなど、

犬の耳のケアについてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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犬の耳臭い原因は?考えられる病気

通常、正常の耳垢の場合は、飼い主さんが感じるほどの臭いは発しません。

犬の耳が臭い!と感じるほど臭う場合には、病気の可能性が高いので注意しておきましょう。

外耳炎は犬の耳の病気の中でもかかりやすい

犬の耳の病気の種類にはいくつかあるのですが、

外耳炎は、その中でも多いと言われている耳の病気です。

 

犬の耳は通気性が悪く、外耳炎の原因となる細菌や

真菌が繁殖しやすい環境になっているのです。

その他にも犬の耳の病気には様々な原因があります。

マラセチア性外耳炎

マラセチアとは、犬の耳の中に常在しているカビの一種です。

耳に全く問題がない場合でも(正常な状態)、細菌や真菌は常に存在しています。

 

その細菌や真菌は通常の状態では、体に対して悪さをする事はありませんが、

何らかの原因で細菌や真菌が増えてしまうと、

皮膚炎や外耳炎になるほどの炎症を起こしてしまうのです。

 

犬の外耳炎になる原因の中でも多いのが「マラセチア性外耳炎」によるものです。

マラセチア性外耳炎は、通常状態でも耳の中にいるマラセチアが

何らかの原因で多く発生してしまったことにより発症します。

アトピー

犬が外耳炎になる原因として、最も多いと言われているのが、

アトピーやアレルギーが原因だという事です。

実際に以下のような数字が報告されています。

  • 犬のアトピー性の皮膚炎は=83%
  • 犬のアレルギーは=80%

これだけ高い数字で外耳炎を併発しているという報告がされているようです。

ミミダニ症

ミミダニはとても小さなダニですが、

虫眼鏡を使うと発見できるほどの大きさです。

 

ミミダニは犬の耳に寄生して、

大好物である耳垢や分泌物をエサに耳の中に住み着きます。

 

ミミダニに寄生されてしまうと、痒みが激しいため、

頭を良く振ったり、耳を掻いたりするなど、比較的飼い主さんは気付きやすい症状が現れます。

また、ミミダニは伝染力が強く、1匹の耳にミミダニがいると、

他のペットにも必ずと言っていいほど感染している可能性が高いのです。

他の要因

そのほかの要因としては、異物混入が原因で外耳炎になる事もあります。

 

例えばお散歩中にお花の種が耳に入ってしまい、

それに気付かず放置をしていると、異物によって刺激があたえられ、

外耳炎になる事もあります。

犬の耳の病気「中耳炎」

犬の中耳炎は、外耳炎の炎症が広がる事によって引き起こされます。

中耳炎になると、痒みだけではなく強い痛みも生じるので、

犬は、耳に触れられるだけで「キャン!」と鳴いたり怒る反応を見せます。

さらに中耳炎の炎症が進むと内耳炎になる可能性もあります。

さらに進行し、内耳炎になってしまうと、顔や目の神経に炎症が及ぶこともあるので、

耳を触られたくない様子を見せる場合は、早めに病院へ検査に行きましょう。

犬の耳の病気「内耳炎」

犬が内耳炎を発症する場合、

多くの原因が中耳炎から炎症が広がったものと考えられています。

内耳炎になると、旋回するような行動を見せたり、歩行障害を見せたりするので、

気付きやすいのですが、それに気付かず放っておくと、

最悪の場合脳にまで炎症が起こり亡くなってしまう事もある、怖い病気なのです。

外耳炎・中耳炎・内耳炎の治療期間は長い

外耳炎の場合、早期発見・早期治療ができれば比較的早く治療が終了します。

治療期間は治療方法によってことなりますが、例をあげるのであれば、

初めのうちは、3日~4日に1回の感覚で通院を行い耳の掃除や点耳を行います。

それから耳の様子を伺いながら通院の期間を徐々に開けていきます。

 

中耳炎も外耳炎と同様、様子を見ながらの通院となります。

重症化していれば、その分治療期間も長くなってしまいます。

 

そして内耳炎の場合、内耳は耳の奥にあるため、

検査も治療も外耳炎や内耳炎に比べると少し難しくなってくるので

長期的な治療になる事が一般的です。

ワンちゃん先生
ワンちゃん先生
いずれにしても、耳の病気は治療に1年以上かかる事もあり、再発する恐れもあるんじゃ~

犬の耳のトラブルはどう見分ける?

犬の耳のトラブルの見分け方について詳しく解説いたします。

耳垢が多い

耳垢は少量であればとくに心配する必要もありません。

しかし、耳垢が多い子の場合、外耳炎や中耳炎、内耳炎などの耳の病気が疑われます。

また、

  • 耳がとてもかゆそう/かゆがっている
  • 耳に触れられるのを嫌がる
  • 耳掃除をしているのにすぐに汚れてしまう
  • 長時間頭が傾いている

などの症状がみられる場合は、病気が進行している可能性があるので、

すぐに病院へ連れていきましょう。

耳垢が黒い

犬の耳垢が黒い場合、ヒゼンダニ症が疑われます。

ヒゼンダニ症には耳垢が黒い他に

  • 頭を頻繁に振っている
  • 耳を頻繁に搔いている
  • 耳が臭う

などの症状が現れますが、耳垢が黒い事に気付いた時点で、

病院へ行き駆除してもらいましょう。

また、病院へ連れていきヒゼンダニ症と診断された場合で、

他のペットも飼っている場合は他のペットにも伝染している可能性があるので、

他のペットも検査を行いましょう。

耳が赤くなっている

  • 耳が臭う
  • 耳垢が多い/汚れている
  • 耳だれしている(出ている)
  • 耳をかゆがっている
  • 頭を頻繁に振っている
  • 耳に触れられるのを嫌がる
  • 熱がある
  • 耳の中が赤く腫れている

など、耳が赤くなるに加え、上記のような症状が現れている場合、

マラセチア性の外耳炎の可能性があります。

耳が赤い他に上記のような症状が無いか確認し、出来るだけ早く病院へ行きましょう。

耳ダレ

耳ダレとは、犬の耳から黄褐色の液体が出ていたり、

耳の周りを拭くと黄色いべたべたした物が付着している場合、それらが耳ダレです。

ここで、赤黒いような色が付いている場合は、マラセチア性外耳炎の可能性があります。

耳ダレのほかにも

  • 耳が臭い
  • 血が混じった耳ダレが出ている
  • 耳をかゆがっている
  • 頭を頻繁に振っている

などの症状がみられる場合、外耳炎、中耳炎、内耳炎

になってしまっている可能性が高いので、すぐに病院へ行きましょう。

臭う

愛犬の耳が臭い原因は、外耳炎、中耳炎、内耳炎の可能性があります。

 

臭いは初期症状として現れ、症状が進行すると、

耳垢が多くなる、痒みを伴う、耳ダレが出ているなど、次々と色々な症状が出てきます。

「愛犬の耳が臭い!!」と感じたら、出来るだけ早く病院へ連れていき検査をしてもらいましょう。

愛犬のしぐさ

犬が耳の病気にかかると、以下のようなしぐさを見せるようになります。

  • 耳を掻いている(耳に足が届かず首元を搔いている)
  • 耳を触られると嫌がる/痛がる/怒る
  • 頭を良く振っている
  • 耳を床にこすりつけている
このようなしぐさを見せる場合、耳に何かしらのトラブルが起こっている可能性があります。

頻繁に見られる場合や、長期的に見られる場合は病院へ行き検査を受けましょう。

耳垢が多くなるトラブルが良くある犬種

犬種によって、耳垢が多くなりやすい耳の構造や体質をしている子もいます。

そういった犬種を飼育している場合は特に、耳のトラブルには気を付けておきましょう。

たれ耳・耳道が狭い・耳毛がある犬種は特に注意

たれ耳、耳道が狭い・耳の中に毛が生えている犬種は、

耳の中の通気性が悪く菌が繁殖しやすい環境になっています。

 

以下のような犬種は特に気を付けて耳のケアを続けて行かなければいけません。

耳道が狭い犬種:フレンチブルドッグ/パグ

フレンチブルドッグやパグは耳道が狭く、

耳垢が多くつきやすい(汚れやすい)と言われています。

耳の汚れを放置したままにしておくと痒みを生じ、炎症を起こすことがあります。

耳毛が多いと言われている犬種:プードル/シュナウザー/マルチーズ

プードルやマルチーズは耳の毛が多いだけではなく、

たれ耳なので、耳の中の湿度が高くなりやすく、菌も繫殖しやすい環境になっています。

分泌腺異常になりやすいと言われている犬種:アメリカン・コッカー・スパニエル/ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア/シーズー/バセットハウンド/フレンチブルドッグ

分泌腺異常になりやすいと言われている犬種は、

外耳炎になりやすいと言われています。

上記の犬種の中でもアメリカン・コッカー・スパニエルは

特に、耳に炎症が強く出やすく、慢性化しやすいので注意が必要です。

アトピーにかかりやすい犬種

また、犬のアトピーにかかりやすいと言われている犬種も注意が必要です。

犬のアトピーにかかりやすいと言われている犬種は以下の通りです。

  • ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • 柴犬
  • トイ・プードル
  • ダルメシアン
  • パグ
  • ブルドッグ
  • ミニチュアダックスフンド
  • ラブラドール・レトリバー

犬の耳垢を予防するためには、定期的なケアがポイント!

犬の耳垢が溜まってしまわないようにするためには、定期的なケアが必要です。

病院やトリミングに連れていき、耳掃除をして欲しいと伝えると、ケアしてくれるのですが、

中には家庭で出来る事があれば自分でしたいという方もいらっしゃるかと思います。

ここでは家庭で出来るケア方法をご紹介いたします。

犬の耳掃除の頻度は1ヶ月に1・2回

犬の耳の汚れ具合にもよりますが、耳掃除は1ヶ月に1・2回程度で十分なのです。

あまり耳掃除をし過ぎてしまうと、耳に傷ができ、そこに菌が繁殖する事によって外耳炎になってしまう可能性もあるので、

汚れていないのであればあまり頻繁に行う必要はありません。

ただし、耳の中の状態チェックは毎日行ってくださいね!

犬の耳毛を抜く必要性は?

耳に毛が生えている犬種は、

トリミングの際に耳の毛を抜いてもらっているという方もいらっしゃるかと思います。

耳の毛をぬくことによって、通気性を良くし、耳のトラブルになることを防ぐ効果があると言われていたのですが、

近年では、毛を抜く事による刺激で炎症が起こる事や、反対に外耳炎になりやすくなってしまうなど、

耳の中の状態によっては、「耳の毛を抜かない方が良い」という意見も出てきています。

飼い主さんが「どうしても自分で毛を抜きたい!」という場合、

耳の毛のカットまでにとどめておいて、どうしても毛をぬいて欲しい場合は、

トリマーさんや獣医さんなどプロの方に任せる事をおすすめします。

犬の正しい耳掃除とは?ケアの方法について

意外と知らない人もいる、犬の耳掃除で絶対にしてはいけない事は

  • 綿棒を使って綺麗に掃除をする
  • イヤークリーナーを使って掃除をする(使う場合は獣医さんに相談をしましょう。)

です。

綿棒を使うって耳を掃除すると、耳垢を置くまで押し込んでしまったり、

綿棒の刺激によって耳の皮膚が分厚くなり耳の穴が狭くなってしまい、

結果的に外耳炎になってしまう可能性もあります。

また、イヤークリーナーを初心者が扱うと、耳の中に液体が残ってしまい、

菌が繁殖してしまう恐れがあるほか、

炎症がある際に使用すると余計悪化してしまう恐れもあります。

 

イヤークリーナーを使う場合は獣医さんに相談をしましょう。

そして、正しい犬の耳掃除・ケアの方法は、イヤークリーナーをコットンに浸し、耳の表面(目にみえる範囲でOK)を優しく拭き取る。

これだけでOKです。

こ耳の穴の中まで掃除をしようとしてしまうと、耳の中を傷つけてしまう恐れがあります。

健康的な犬の耳は、自分で汚れを排出できるような構造になっているので、

耳の周りの汚れを拭き取れているだけで十分なのです。

どうしても耳の中が気になるという方は、獣医さんへ相談しましょう!

まとめ

犬の耳の病気は、初期では症状が軽く気付かない飼い主さんも多くいらっしゃいます。

耳の病気は放っておけば放っておくほど酷くなり、

病気も進行してしまい、治療期間も長期的になってしまいます。

 

耳の病気の早期発見・早期治療の鍵は、

愛犬の耳の健康のチェックを定期的に行うことです。

 

毎日のスキンシップに、犬の耳の健康チェックを取り入れて、

犬の耳の健康を維持しましょう。