ご飯を食べてくれる時は、
お皿を舐めておかわりをせがむほどたくさん食べてくれるのに、
食べてくれない時は本当に文字通り見向きもしてくれない…
そんなわんちゃんの読めない食欲のムラ。
いわゆる「ムラ食い」に不安を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。
- 「ムラ食い」が多いのは体調不良の印ではないのか?
- どうすれば「ムラ食い」が改善するのか?
言葉を喋ることができないからこそ、飼い主さんは、
わんちゃんの少しの変化でも心配になってしまうものですよね。
これまで、食べてくれていたフードを食べてくれなくなってしまったら、
どうしたら良いのか分からなくなるのも無理はありません。
今回は、そんな「ムラ食い」に関するお悩みについて、
お役立ち間違いなしの情報を解説していきます。
ムラ食いの多い少ないに犬種は関係あるの?

一般的には、小型の犬種は大型犬に比べて少食の傾向にあるようです。
小さな体で動き回っている姿を見ると、お腹が空かないのか心配になってしまいがちですが、
実は成長に必要な栄養が大型犬と比べて少ない分、少食になるわんちゃんが多いのだそう。
チワワなのにすごい量のごはんを毎回完食するパワフルな子もいれば、
ハスキーなのに少しの量しか食べない控えめな子もいるようです。
犬種によって、少食かどうかの大まかな傾向は分かるが、
結局はそのわんちゃんごとの個性によるものが1番大きい要因ということじゃ~
愛犬のムラ食いの理由が分からない!どうやって対策すれば良いの?

犬種によってムラ食いをしやすい犬種とそうでない犬種があることはわかりました。
それでは、一体なぜわんちゃんのムラ食いは起こってしまうのでしょうか。
考えられるいくつかの理由とその対策を紹介していきます。
お腹が空いていない様子①→ごはんが多すぎるのかも?
一般的なごはんの量をあげるのでは多すぎるという子には、その子にあった量のごはんをあげることが大切です。
お家にわんちゃんをお迎えしたはじめの頃は、
どのくらいの量をあげれば良いのか見当がつかないはずなので、
一般的な量と同じ量を与えて大丈夫です。
因みに、総合栄養食ドライドッグフードをパグをはじめとする小型犬の成犬にあげる場合は、1日あたり150gが目安となっています。
合計が150gになるように一日の中で分けてあげるのが理想です。
わんちゃんの様子を見ながら、徐々にその子に合ったごはんの量に変えていきましょう。
1日に3食ではごはんの回数が多すぎるというわんちゃんには、2食に減らしてあげてもいいかもしれませんね。
お腹が空いていない様子②→おやつをあげすぎているのかも?

私達も、おやつをたくさん食べた後に、
ごはんを食べようとするとお腹がいっぱいで箸が進まない
ということはよくありますよね。
わんちゃんも同じように、おやつが多いとごはんの時間にお腹が空かないことがあります。
おやつだけでお腹がいっぱいになって、
ごはんが食べられなかったなんてことになると、栄養バランスが偏ってしまいます。
可愛くねだる姿に負けないで、
わんちゃんの健康のためにもあげたい気持ちをグッと抑えてくださいね。
おすすめするのは、毎日おやつをあげるのではなく、
頑張った日にはご褒美としておやつをあげるという方法です。
ごはんを少ししか食べてくれない→緊張しているのかも?
わんちゃんの中にはじっと見られていると、なんだか緊張してなかなか食が進まないという子もいるようです。
どのぐらい食べてくれているのか、ちゃんとおいしそうに食べてくれているか、ついつい見てしまいたくなる気持ちはよく分かりますが…
私たちも食事の時に、いくら家族とは言ってもじっと見られていると変に緊張してしまうはずです。
わんちゃんの中にはなぜ見られているのか分からないため、
自分が怒られているのかと勘違いをしてしまう子もいるようです。
気になる気持ちを抑えて、あまり怖がらせないように、
時々そっと様子を伺うくらいにとどめてあげることをおすすめします。
ごはんに全く興味を示してくれない→運動不足かも?
お散歩をする機会が少なかったり、家でおもちゃで遊ぶ機会が少なかったりと体を動かす場面が少ないわんちゃんは運動不足になっている可能性があります。
運動不足の日が続くと、代謝も落ちてしまい、
消費カロリーが少なくなるため、比例してあまりお腹も空かなくなるのです。
代謝が落ちてしまうと、他にも毛並みに艶が無くなる・疲れやすくなるなどの様々な弊害があるので、定期的にお散歩に連れて行ってあげて、外で思い切り走り回らせてあげることが大切です。
お散歩には、わんちゃんのストレスを軽減する効果もあるので、
なるべくなら毎日お散歩に連れて行ってあげられるのが理想です。
しかし、忙しくてお散歩に連れて行く機会がなかなか取れないこともあるでしょう。

そんな時は、わんちゃんが1人でも遊んでいられるような
おもちゃを用意してあげると良いでしょう。
家の中で、おもちゃを追いかけて走り回るだけでも運動不足解消の助けにはなります。
興味は示すけれど、食べない→ドッグフードが合っていないのかも?
ドッグフードと一口に言っても、中身はもちろんのこと、ウェットタイプやドライタイプ、さらには粒の大きさまで様々な種類のドッグフードが販売されています。

小型犬に大型犬用のドッグフードを与えてしまうと噛み砕くことが難しく、食事に前向きになれないそうです。
反対に大型犬のわんちゃんにとって、小型犬用のドッグフードは食べにくいようです。
あまりにもドッグフードを変えすぎるとわんちゃんも戸惑ってしまうので、
頻繁にドッグフードを変えてしまうことはあまりおすすめできませんが、
その子の好みのタイプのフードを見つけるまでは色々なものを試してみてあげるのも良いでしょう。
商品によっては、お試し用のパックを販売しているものもあるので、
インターネットなどでそちらもチェックしてみて下さいね。
フードを食べてくれない→病気かも?
考えられる病気は大きく分類して、口腔炎・内臓疾患・神経病などがあります。
歯を磨く習慣がないわんちゃんはどうしても、口腔内の環境が悪くなってしまいがちなんです。

口腔内の環境をよくするには、市販のデンタルケアアイテムを使用したり、お風呂に入る際に口の中もゆすいであげたりすることで改善が見込めます。
また、内臓疾患で食欲がない場合は、胃腸などの消化器官系に問題があることが多いです。
その他にも嘔吐や体の震えなどの症状も併発して見られることがあるので、
このような症状も確認できた場合は早めに病院に連れて行ってあげることが必要です。
神経病の場合は、食いつきが良くないというよりかは、
食べようとしているのに上手く口に入らないという様子が伺えます。
その他にも、手足がうまく使えていなかったり、引き攣りの症状を起こしていたりと必ず何かの異常行動があるはずなので注意してあげて下さいね。
わんちゃんのムラ食べについて、以上の6つの考えられる原因と
それぞれの対処法を紹介してきました。
もちろん、これ以外の原因でムラ食べをしているわんちゃんもいます。
まずは、6つに当てはまらないかわんちゃんの様子を当てはめて、飼い主さんが調べてあげて下さいね。
犬がごはんを食べないのは何日までなら様子見していてもいいの?

食欲にムラがあるとは分かっていても、
いざ大切な愛犬がごはんを食べてくれなくなると飼い主さんは不安で仕方がないですよね。
そんな時、一体何日までなら様子を見ていても大丈夫なのか、
いつから病院に行くことを考えれば良いのかをここからは紹介していきます。
病気かも…病院に行く目安はいつから?
基本的にわんちゃんは2〜3日までなら、ごはんがなくても問題はないと言われています。
いつもと変わらず元気な様子で、便にも特に異常が見られないようなら、時にはそっとしておいてあげることも大切かもしれません。
先程、例としてあげたような
- おやつの食べ過ぎ
- 緊張してしまっている
- ごはんが十分に足りている
- 運動不足
- 好みのごはんでない
といったわんちゃんでも、流石にお腹が空いてくれば
用意されているごはんに食いついてくれるはずです。
また、ごはんは食べなくても喉は乾くというわんちゃんは多いので、
水は常に新鮮なものを飲めるように用意しておいてあげて下さい。
きちんとお医者さんに伝えて対応するためにもわんちゃんがごはんを食べなくなった時は、いつ頃から食べなくなったのかを確認しておく必要がありますね。
パピー〜成犬〜シニア犬まで各ライフステージごとのムラ喰い対策の秘訣

ここまででは様々なムラ食い対策を紹介してきましたが、
ここからはわんちゃんの各ライフステージごとのムラ食い対策の
秘訣をお伝えしていきます。
同じ犬種のわんちゃんでも
パピーとシニア犬では食の傾向も全く異なるので、
それぞれのライフステージごとの対策が必要です。
パピーのムラ食い対策
好奇心旺盛で、遊ぶことが大好きなパピーはごはんの時間も遊びに時間と捉えてしまうことがあります。
時には、ごはんを散らかしたりして遊びだしてしまう子もいるのだとか。
そんなパピーに有効なムラ食い対策は、ごはんの時間とごはんの合図を決めること。
ごはんの時間になったら、必ず「ごはんだよ!」と声をかけたり、ベルを鳴らしたり、何かの合図を設けてあげて下さい。
それが習慣になるとわんちゃんもごはんの時間と遊びの時間の区別をつけやすくなります。
また、ごはんを出しても食べない時はある程度の時間(30分〜1時間が目安です)経ったら、ごはんを残していてもお皿を下げてください。
一見可哀想に見えますが、そうすることで、ごはんの時間にきちんと食べることの大切さを学んでくれます。
小さいうちにきちんと教えられていれば、大きくなった後も困ることが少なくなります。
もちろん、これを実践する時には、ごはんの時間を過ぎてからねだられても、ごはんやおやつをあげるのは厳禁です。
パピーのうちのわんちゃんは知識の吸収力も強いので、きちんとしつけをすれば覚えてくれます。
成犬のムラ食い対策
まだ、小さく食べ盛り・遊び盛りだったわんちゃんも成犬になると成長が落ち着いてきます。
そのため、これまでと同じように生活をしていると成長期を過ぎてきたわんちゃんには、消費カロリーが足りていないことが多くあるんです。
これまでは、運動量が少なくても成長するために、たくさんのカロリーを自然と消費していたわんちゃんも成長が止まってしまうと、カロリーが有り余ってしまいお腹が空かなくなります。
意識的に飼い主さんが運動を促してあげることが大切です。
おすすめなのは一緒にジョギングに出かけあげること。
一緒にジョギングをすると、飼い主さんの健康の改善にもつながるので、わんちゃんも楽しませることができて一石二鳥ですね。
シニア犬のムラ食い対策
段々と年をとってきたシニア犬は、パピーの頃と比べると食事のスピードも遅くなってきているはずです。
パピーの頃と同じように、ごはんを時間内に食べなかったらお皿を下げてしまうというのは、シニア犬にとっては酷なことです。
シニア犬のムラ食い対策に有効なのは、その子にあったごはんの量に変えてあげることです。
歳を取ればこれまでと同じ量を食べられなくなってくるのは当たり前のことなので、躊躇わずにごはんの量を減らしてあげて下さい。
ごはんの量がぴったりになってくると、次第に食いつきも改善されるはず。
ただし、ごはんの量が少なくなると、カロリーが足りなくなってしまうので、これまでより高カロリーの物をあげるようにして下さい。
パピーの頃のような食べっぷりを期待してしまうと、物足りなさはあるかもしれません。
ゆっくりとであっても、わんちゃんがごはんを食べてくれる姿が愛らしいことには変わりません。
ムラ食い対策でドッグフードを変えるのは逆効果!?

ドッグフードを変えるのはNG
「ムラ食いをするのは、ドッグフードが合っていないからだ!!」
と早合点してドッグフードをあれこれと変え過ぎていませんか?
勿論、わんちゃんの好みを分かってあげるためにドッグフードを色々と試してみるのは良いことなのですが、
好みが見つかった後にもあれこれとドッグフードを変えるのはNGです。
あれこれとドッグフードを変えることにわんちゃんが慣れてしまうと、
次第に変わった種類のドッグフードしか習慣的に食べられなくなってしまうこともあるのだそう。
毎日同じものを食べるのは飽きてしまうのではないかとわんちゃんを心配して、色々なドッグフードをあげすぎると逆効果なんですね。
また、色々なフードをあげすぎると、万が一わんちゃんが下痢やアレルギー症状などの体調不良を起こした場合に、
どのフードが原因だったのか分からなくなってしまいます。
結局、どのフードが原因なのか分からず、
アレルギーを持っている食べ物を挙げ続けてしまったなんてことになったら大変です。
どのフードを食べたことでどんな症状が起きているのかを把握してあげるためにも、やはりドッグフードは単一のものをなるべく使ってあげましょう。
人間のごはんは絶対NG
ドッグフードをよく変える以外に挙げられる飼い主さんのNG行動として、
よくやってしまいがちなのが、自分の食べているものをそのままわんちゃんにもあげてしまうことです。
次第に、ドッグフードは見向きもしないけど、人間と同じ食事なら食べるなんていうムラ食いが起きてしまう可能性もあります。
糖分過多や高血圧の原因になり、健康の状態にも良くないので、わんちゃんには専用のごはんをあげましょう。
人間の食事ではなく、同じ材料を味付けしないでわんちゃん用のごはんにしてあげるのは大丈夫です。
家族で食卓を囲んでいる中に、わんちゃんが入ってきて、
おねだりしている姿を見るとついつい甘やかしてしまいそうですが、
わんちゃんのためにも人間の食事はあげないでくださいね。
食卓を囲む時間とわんちゃんのごはんの時間を合わせれば、
みんなで一緒に食事をしているような雰囲気になれるので、おすすめです。
熱いものはNG
わんちゃんのごはんを手作りしている飼い主さん、
出来上がったごはんを熱いままあげてしまっていませんか?
一般的に「猫舌という言葉がある位だから、熱いものが苦手なのはねこちゃんだけ。」というイメージがありますが、
実はわんちゃんも熱いものは苦手なんです。
自然の中で熱い食べ物と触れてこなかったわんちゃんにとって
熱いものは慣れていない存在。
わんちゃんにとっての理想的な温度は、38~40度ぐらいなので、熱い食べ物は必ず冷ましてから食べさせてあげるようにして下さいね。
温度を測るのはなかなか面倒なので、
人肌より少し温かいくらいと覚えるのがおすすめです。
わんちゃんのムラ食い対策のまとめ
今回は、わんちゃんの食欲にムラがある、
いわゆる「ムラ食い」についてその原因や対策を中心にお伝えしてきました。
ムラ食いにはここまでで紹介してきた、運動不足の改善や食事量の改善以外にも、ごはんを食べたら褒めてあげるなどの環境を改善していく方法もあります。
改善方法は絶対にこれ!と決まったものがあるわけではないので、
長い目で見ながらわんちゃんと飼い主さんが一緒になって色々な方法を試してみられると良いですね。